この冷えた身体を暖める術は幾らでもある。
人肌で暖められた寝床。
炎がちりちりと燻る火鉢。
そして、澄んだ青い空から降り注ぐ穏やかな陽光。
だけど。
私を心まで暖めるものは………。
Heart Warmer
〜 暖めるのは… 〜
今朝もこの地に霜が降りた。
毎年、否応なしに訪れる…私が一番嫌いな季節。
何がというものでもない…ただ、寒いのが嫌なだけ。
南国に生まれ育った私にとってこの寒さは…地獄の苦しみに似たものがある。
床から起き上がり、未だ迫り来る眠気を振り払おうと背伸びをしたけれど…その身体がぶるりと震え、瞬時に元へと縮こまった。
…まずい。
これでは風邪をひくのも時間の問題だ。
と、ここで私は考えた。
この寒さに対抗できるのは、やっぱり………。
漸くの事で服を身に着け始める…床の中で器用に。
そして私は………
それっという掛け声と共に身を起こすと、一目散に廊下へと足を駆った―。
白い息を吐き出しながら、は扉の前に立っていた。
袖の中に入れていた手も、廊下を走っている間に冷たく固まってしまっている。
「…なんでここまで寒いのさ…全く」
やってらんないわよ、とはこの寒さを助長するような灰色の空を睨むように見上げて一つ悪態を吐いた。
別段、この地が極寒の地というわけではない。
寧ろ、今朝の寒さにいたっては何時も通りと言ってもいいくらいだ。
しかし、彼女は寒さの程度を感じる余裕など皆無に近い程、ない。
ただ………彼女自身にとっては寒いか寒くないか、それだけの問題なのである。
意を決して袖の中から手を引き抜き、冷たい空気に晒す。
そして………早く暖を取ろう、と徐に扉を叩き
「おはよう、子龍。 ………入ってもいいよね」
答えは聞いていないとばかりに直ぐ扉をすらりと開け、暖かいと思われる室の中へと滑り込もうとした刹那。
「どうした、。 朝早くから私に何の用だ?」
背中から目標とする人の声が聞こえた。
思いもかけない方向から飛び込んできた声に「えっ?」と反射的に中庭の方へ振り返る。
すると………
「ちょっ…! 子龍、貴方…こんな陽気に何やってんのよ!?」
喉がひっくり返ったような声を上げながら、の顔色が一瞬にして青く変わった。
それもその筈…呼ばれた張本人である趙雲は着物を上半身だけ脱いだ半裸の状態で、その手には大判の手拭いを握り、縁側には彼が脱いだのであろう上着が丁寧に畳まれた状態で置いてある。
水も凍りそうなこの時分に…なんて酔狂な真似を!
…まさか、あまりの寒さに流石の子龍も頭がおかしくなったのかしら?
些か飛躍した考えを巡らすだったが、直後に吐かれた趙雲の言葉に更なる奇声を発する事になった。
「見て解らないか? 乾布摩擦をしているのだ」
「かんぷまさつぅ!?」
「ああ。 そうだ、…お前も共にどうだ? 毎朝やっているのだが…これは温まるぞ」
「…子龍。 貴方、私を温める前に殺す気!?」
貴方と一緒にしないでよ、とは頬を膨らませながらぷりぷりと怒りを露にした。
しかし、彼女がどれだけ文句を言っても…これは体質の違い、としか言いようがない。
が南方の出身で寒さに免疫がない反面、趙雲は北方、常山郡の生まれで寒さにも充分な抵抗力がある。
この差がしばしば起こるちょっとした喧嘩の大きな原因の一つになっているのだが…。
「殺す、とは…人聞きの悪い事を言うな。 私はお前の事を思ってだな―」
「思ってませんっ!」
笑顔を向けながら宥める趙雲をたった一言でぴしゃりと遮る。
両の腕を袖の中に入れたまま胸の前で組み、膨れっ面でぷい、と顔を背ける。
私の事を本当に思っているのなら…こんな事に誘いはしない筈。
彼女にとってこの寒空で肌を晒す事は自殺行為でしかない。
欲しいのは寒さの向こうにある暖かさではなく、今直ぐにでも実現出来るであろう直接的な暖なのだ。
…私はただ、貴方に抱きしめてもらいたいだけなのに―。
この人はどれくらい私の事を解っているのかしら…。
と、言うより…どの程度まで女心を理解しているのか。
寒さ嫌いな…しかも己が好いている女だ。
その彼女が朝早くから自分の自室を訪れる理由は………普通の男であれば自ずと理解し得るだろう。
しかし、彼の示した反応は至極素っ気無いものだった。
が怒るのも無理はなし。
しかも、この期に及んでも目の前で拗ねるの姿を不得要領といった様相で見つめている。
ひょっとして…。
子龍って、鈍感なのかしら?
己の頬を膨らませたまま、は心の中で大きな溜息を吐いた。
そう考えれば、今までの喧嘩も合点がいく。
喧嘩、と言っても…趙雲が時折垣間見せる曖昧かつお堅い態度に彼女が勝手に怒るだけなのだが。
表情を変えずに瞳を趙雲へと戻すと、困惑を湛えた面が視界に飛び込んできた。
それでも彼は再び手拭いを両手に持ち直すと
「そんなに怒る事はないだろう、。 …寒いのが嫌なら部屋の中で待っているといい。 終わったら直ぐに戻る」
手にするそれを広げ、己の身体を擦り始めた。
………まだやるか。
今度は本人に聞こえるように大きな溜息を吐く。
そう言えば…この人は自分の決めた事に忠実な人だった。
その変なところで頑固な彼を止める術を、は生憎持ち合わせていない。
ここは大人しく引き下がるしかないか、と漸く思い至った。
…ここで、子龍が甘い言葉をかけながら抱きしめてきたら…却って彼らしくないし。
「へいへい…思う存分堪能してくださいな、子龍様。 …でも、なるべく早く来てくださいましね」
精一杯の皮肉をこめながらにっこりと笑顔を作り、趙雲の部屋へと歩を進める。
そして、部屋に入って扉を閉める直前に中庭の方を振り返ると―。
己の口より白い息を吐き出しながら乾布摩擦を続ける楽しげな趙雲の姿に、ぞっと背筋を凍らせた。
…嫌な予感は見事に当たった。
趙雲の部屋に入ったは、外とあまり変わりのない肌寒さに軽く身震いした。
寒さに強い彼の事だ…恐らくこれくらいの温度でも充分に暖かいと言うのだろう。
同じ人間なのになんでここまで違うのかしらと思いながら、奥にある床から掛け布を引っ張り出すと肩から被る。
傍から見れば何とも情けない姿だが…彼女も一軍を率いる将で、いざ戦になれば肌に感じる風の冷たさなど物ともせず己の武勇を如何なく発揮する。
今の姿からはとてもではないが想像がつかない。
掛け布から唯一出ている頭を膝に乗せ、なかなか訪れない 『暖』 にう〜と唸っていると
「すまない、。 …すっかり待たせてしまったな」
彼女にとって最大の 『暖』 が戻ってきた。
先程まで夢中になっていたのだろう…乾布摩擦で全身を上気させているその肌からは微かな湯気が立ち上っているようにも見える。
掛け布に包まれ、蹲るとは実に対照的である。
むぅ、と不貞腐れながら見上げてくる大きな雪球のような姿を見下ろし、趙雲はくすりと小さく笑った。
「そこまで寒いのなら、女官を呼んで火を入れてもらえばよかっただろう」
「そんな余裕が私にあると思う?」
「…仕方がないな」
これ以上動きたくない…いや、もう動かないと宣言しているような雪球の問いにやれやれとかぶりを振った。
直後、火が消えて寒々としている火鉢に、彼の手によって漸く火が入る。
赤々としてくる中の様子を眺めながら…大きな雪球、もといはほっと胸を撫で下ろした。
― 本日の鍛錬は午後から行う ―
この報がの耳に入ったのは…目が覚め、床から起き上がる直前だった。
未だ覚めない頭を現実に引き戻しながら、彼女の心の中に閃いた一つの目論見…それは 『昼まで、彼と一緒に過ごす』。
自分とは違って何時も多忙を極める趙雲。
二人きりで逢う時間が限られている二人にとってはまたとない好機だと思い至った。
そして、早朝の寒さに身を凍らせながらここに来たのだが―。
「折角来てもらって悪いが、今日は阿斗様の剣の稽古をつけなければならないのだ」
の目論見は、趙雲から放たれた言葉によってあっさりと崩された。
…また、阿斗様かよ。
二人きりで居られる時間を減らしている原因の大きな一つ、君主の子息の名前が出てきて…は趙雲から視線を逸らし、小さく舌打ちをした。
趙雲が君主の御曹司に懐かれているという事は周知の事実。
戦地で取り残された御子を趙雲が単騎で助け出してから、君主は彼を御子の教育係とした。
信頼されている証拠だと言われてしまっては返す言葉もないのだが…折角の逢瀬を阿斗に邪魔される度にの心の中には黒いものが渦巻いてくる。
幼子を相手に嫉妬するのは些か大人気ないとは思う。
だが…こう何度も邪魔されては、流石に堪忍袋の緒も切れると言うもので…やはり恋仲である自分としては、もっと傍に居て欲しいと願わずにはいられない。
それが恋する女の我が儘だと解っていても―。
憮然とした表情のと複雑な様相を呈した趙雲の口論が始まった。
「子龍…。 貴方って二言目には何時も 『阿斗様』 なのね」
「…すまない。 しかし…阿斗様たっての願い、私には無碍に出来ない」
「ふぅん…。 私たっての願いは無碍にしても、ね」
「そうではない。 此度の事は以前から言われていた。 『今度の休みは剣の稽古を』 と―」
「今日は休みじゃないわ。 …そっか、貴方は私と逢うより阿斗様に世話を焼いていた方が楽しいんだ」
「…だから違うと言っているだろう!」
の厭味たっぷりな発言に、次第に声を荒げていく趙雲。
刹那、それを表情を変えずに一瞥すると…はその場に立ち上がって被っていた掛け布を勢い良く剥ぎ、丸めて床に放り出しながら踵を返す。
―部屋の扉へと、彼と視線を絡める事なく―。
「…違わないわ。
私が貴方の処に訪れた理由すら解らない人だもの。
…帰る。
今、貴方と話を続けてたら…殴ってしまいそうだし。
私………これ以上嫌な女になりたくないから」
そして、扉の引き手に手をかけ、廊下へと身を出すと趙雲に届くか解らない程低く、言葉を零した。
「子龍の………馬鹿」
趙雲は動けなかった。
ただただ、扉の向こうに消える寂しげな背中を見つめる事しか出来なかった―。
「どうしたの? 今日の子龍、なんかおかしいよ?」
重たい剣を両の手でしっかりと握った少年が上目遣いで趙雲を見つめていた。
…しまった。
かぶりを振りながら地に膝を付き、少年と視点を合わせる。
「すみません、阿斗様。 少々考え事をしていました」
「考えごと? とのこと?」
「はい…あ、いえ、他愛のない事ですよ」
何でもないんです、と目の前の屈託ない訝しげな笑顔に微笑み返す趙雲。
…いかん。
あれ以来、の事が頭から離れない。
自分と擦れ違う時に見た頬に僅かに光るものと、彼女が最後に言った 『訪れた理由』。
それは―
「…やっぱりと喧嘩したんだ。 ダメだよ、喧嘩したら」
再び自分の思考に集中しかけた彼を阿斗の言葉が制した。
大人の微妙な心の動きも敏感に察する、子供特有の勘の鋭さに趙雲は舌を巻いた。
僅かに視線を逸らすと、表情をそのままに小さく溜息を吐く。
…子供には嘘を吐けないな。
趙雲がとの仲を初めて話したのは、何を隠そう…目の前の御曹司である。
想いを重ね合わせた次の日、勉強を見ていた趙雲の様子が何時もと違う事を察知した阿斗に問い詰められたのだ。
それ以来、阿斗は趙雲にとって 『小さな相談者』 となっているのだが―。
「すみません」
「違うよ、子龍。 ちゃんと謝らなきゃいけないのは僕の方だ…ごめんね」
「…何故です!? 何故…阿斗様が謝らなければいけないのですか?」
阿斗に謝られるという意外な展開に趙雲の語気が荒ぐ。
特に、阿斗様が悪い事をしているとは思えない。
ましてや…ほぼ毎日と言っていい程勉学や鍛錬など、遊ぶ時間を割いてまで頑張っているのに―。
すると、目の前の少年が趙雲の心の声を聞いたような言葉を紡いでいく。
「子龍を独り占めにしてる僕が悪いんだ…だから、これからは一人でも頑張るよ。
今度に逢ったら、ごめんねって言っておいてね。
これからは出来るだけ二人の時間を邪魔しない、って。
僕は、子龍やに…哀しい思いをして欲しくないんだ。
………二人とも、大好きだから―」
「阿斗様………」
趙雲は目の前で力説する幼い少年の一生懸命な様子を見てふ、と笑った。
阿斗様は、もしかしたら私よりも女心を理解しているのかも知れないな。
己の鈍感さに自然と自嘲的な笑いがこみ上げてくる。
今朝のが起こした行動と、部屋から出る彼女が不意に零した涙。
それは…寂しかったんだ、という事。
彼女は、ただ私と一緒に居たかっただけなのだ…。
…これでは、に怒られるのも無理はない。
「ありがとうございます、阿斗様。 今夜、必ず彼女に伝えます」
の本意を教えてくれた小さな相談者に頭を下げながら、趙雲は漸く元の笑顔を取り戻した。
夕餉の準備がなされている場所に向かうべく床に座り、身支度を整える趙雲の背中に少年の声がかかる。
「ねぇ、子龍。 これから…と逢うんだよね?」
「はい。 と一刻も早く仲直りしたいので―」
刹那、趙雲の言葉を全て聞かずに子供らしい楽しげな笑い声が返ってきた。
「子龍。
明日は僕のところに来なくていいよ!
父上には僕から言っておくから。
『子龍はかーなーり!疲れてるから明日はお休みさせてあげて』 ってね!」
君主の子息の何ともませた一言に、趙雲は床に思い切り額を打ち付けた―。
趙雲の部屋を出てからというもの…の心の中には黒い靄が存在していた。
心の中に燻るものを振り払うように彼女は振舞う。
昼餉は、周りの者が恐れおののく程一心不乱にがつがつと、しかも二度のおかわりつきで平らげていった。
午後からの鍛錬で手合わせをしても連戦連勝…今迄の手合わせで苦戦を強いられていた馬超相手でも、その相手に膝を付かせるという初の快挙を成し遂げている。
しかし
「今日は気迫が半端なく感じられたぞ、。 …もしや、趙雲と何かあったのか?」
という馬超自身からの言葉も、今日のにとっては怒りを助長するものでしかない。
「…うっさい、ボケ」
一言吐き捨てるように呟くと、鍛錬はもう終わりだと言わんがばかりに自室へとのしのし足音を立てながら戻って行ったのだった。
が、自室に戻ったは直後、ふと考えた。
…ちょっと待てよ、と。
汗で濡れた服を着替えながら趙雲とのやり取りをひとつひとつ思い出す。
朝、予告なしに趙雲のところへ押しかけた自分。
彼の言葉を真っ向から否定して、勝手に怒った自分。
そして、子供相手に嫉妬している自分―。
…なんだ、私も悪かったんじゃない。
心でぶすぶすと燻っていた靄が次第に晴れ、想いが一つに収束していく。
逢ったら最初に謝ろう、と心に決めたは床に寝転がると、今夜ここに来る最愛の人を待つように天井に浮かぶ木目を数え始めた。
暫くして、は頬に触れる暖かい…いや、熱い物に驚いて目を覚ました。
「うわっ…! 子龍、どうしたの、いきなりっ!?」
突然の事に床からがばっと起き上がると…趙雲の笑顔と、その手に乗せられている大きな饅頭が視界に飛び込んで来た。
熱い物の正体見たり、といった状況だったが
「でも、なんでここで饅頭なのよ?」
と率直に訊く。
どうせだったら…甘い口付けで起こしてくれればいいのに。
これじゃ、『色気より食い気』 そのままじゃないの…。
しかし、趙雲はその小さな文句に微かな笑みで返すと
「すまない、。 …要らぬ世話だとは思うが、お前が今日の事で夕餉を食べ損ねているのではないか、と思ったのでな」
折角だ…共に食べよう、と手にした饅頭をの目の前にぬっと突き出す。
刹那、美味しそうに湯気を立ち上らせる饅頭に反応するように腹の虫が騒ぎ出す事では漸く夕餉の時間が過ぎている事に気付いた。
ぐぅ、と恥ずかしげもなく鳴り出す腹を自らの腕で抱え込み、頬を紅潮させると
「…こっ、これは『色気より食い気』ってわけじゃないからね!」
空いている方の手で饅頭をひったくるように受け取った。
そして、徐にそれを口に運ぶと…ほくほくとした熱さと奥深い味がの心をも満たしていく。
「…美味しい」
本当に、美味しい。
この軍に仕えている調理班の点心には定評があるが、それだけではない、とは瞬時に感じ取った。
―持って来てくれた趙雲の心。
鈍感だと思っていたけど…ちゃんと私の事を思ってくれていたんだ。
それだけでも充分に幸せを感じる己の単純さには笑いがこみ上げてきた。
刹那、声を上げて笑い出すと
「あはっ…。 ありがとう…そしてごめんね、子龍」
先程頭の外に吹っ飛んだ「謝ろう」という気持ちと共に感謝の気持ちを綴った。
すると―
「私の方こそ、気付かなくてすまなかった…」
あれから阿斗様に怒られたのだ、と言葉を放つ趙雲。
…また、阿斗様かい…。
またしても二言目にかの人の名前が出てきたが…今度は舌打ちをせずに微笑みで返すと、話の先を促すべく顔を趙雲に寄せた。
盆に乗せてあった饅頭を全て平らげ、腹も心も満たされた二人は…床の上で身を寄せ合っていた。
「寒くないか? 」
自分にかかっていた掛け布をに与えながら趙雲が訊くと、「ううん、大丈夫」と微笑う。
髪紐を解いた趙雲の髪が、の髪と重なるのと同じく…互いの視線がしかと絡み合う。
私にとって、この大事な時間こそが一番の暖。
それが他の何にも負けないという事に今夜、彼女は改めて気付いた。
暖める術は、目に映るものだけではないと。
しかし………
刹那、趙雲が床からがばっと起き上がると徐に服を脱ぎ出した。
「ならば問題はない…。 、これから夜の乾布摩擦に付き合ってくれ」
「…この優しい時間に…思いっきり冷たい水を差すか、アンタはっっっ!」
趙雲の行動に、の心の中で再び怒りがこみ上げてきた。
拳を握り、わなわなと震えながら趙雲に掴みかかる。
今の今迄感じていた私の幸せを、返して!
…瞳を合わせたその続きを期待した私が馬鹿みたいじゃないの…。
すると、今にも攻撃をしかけようとする腕を趙雲の手が捉えた。
視界が反転し、再び木目目立つ天井が瞳に映ると同時に悪戯っ子のような笑顔を湛えた趙雲が口を開いた。
「はは、冗談だ。
さぁ…これから先は、互いの身体を更に暖める事にしよう。
明日、阿斗様から暇をいただいた。
…
…今宵は、覚悟しておけ」
冷えた身体を暖める術は幾らでもある。
だけど。
私を心まで暖めるのは………
子龍、貴方しか居ない―。
劇終。
アトガキ
うっほほ〜い、久し振りの子龍さん夢です♪
(すみません、頭がおかしいようです…)
最近…お世話になりまくっている葵さんに捧げる夢ということで、リクエストをいただきましたw
相互記念(←今更)というか、感謝の気持ちを文章にしようというか…。
しかし、終わってみればギャグ交じりの「えっ!?」的なお話に(汗
それでも、なんとか仕上がりましたです、はい。
この作品に関して…文句などは葵さんからのみ受け付けます orz
葵さん、こんな阿呆な話でよければ…お納めくださいませ。
裏話などは日記にて書く予定です。
ここまでお付き合いくださってありがとうございました!
2008.01.23 御巫飛鳥 拝
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