女優達の幕舎〜ヒロイン勢揃い編 3〜

 注意:このお話は…今まで及び今後企画夢で登場するヒロイン達の―
     それぞれ一つの設定に限定してお送りいたします。
     あくまで私・瑞樹飛鳥のイメージですので…
     参考までにご覧ください。
     (ネタバレもあるやも知れませぬ。。。)










 一時の後。
 大部屋の一角に積み上げられた石の山。
 それを見て――



 ==あんた達…そこまでヤれとは言ってないんだけど…

 「悪いが紫緋、指示をしたのは君だ」

 ==いや、でもね紅紗………姐さん、何も言わなくなっちゃったよ?

 「…死んだのかしら」
 「まっさかー! 象が踏んでも壊れなさそうな飛鳥がこんな簡単に潰れるワケないじゃない」



 ……………



 「おっかしぃなぁ…ここで飛鳥なら『象が踏んだらイヤでも潰れるわい!』とかってツッコミ入れてくると思ったけど」
 「だよねー…どうしたんだろ、マジで」
 「でも…ここまでやってしまうと悲壮感が漂うわね」



 ==ヤった張本人がそんな事言うな!



 そんなやり取りの中、その一部始終を見ていた遥姫が徐に立ち上がり
 「いけません皆様…この方は仮にも私達を世に送り出した方の一人。 丁重に扱わなければ――」
 何処から取り出したのか、何かが書かれた細長い板切れを石の山に突き刺した。



 『飛鳥 此処に眠る』



 ==って、埋葬するなぁぁぁっ!!!!!



 刹那、御前が叫ぶのと同時に石の山が崩れ、蹲る筆者が現れる。
 生きている事にホッと胸を撫で下ろす一同だったが………
 今迄何も言わなかった筆者、その場に立ち上がってう〜んと背伸びをすると――



 ――ん? もう終わり? …もう少し寝てたかったんだけどなぁ…。

 ==ね、姐さん寝てたのっ!?



 そのふてぶてしさは何処から来るんだか(汗
 しかし、筆者もそう簡単にへこたれるようなタマではないということだ。 うひ。





 というわけで、少々のすったもんだはあったが…ここに一同が会した。
 今迄の騒動は何処へやら、今は揃って卓を囲んでいる。

 改めて皆の顔を見回す筆者。
 …この大人数、纏めるのが大変だな…



 ここから、筆者の真価が問われる――













 ――ちゅーわけで、これから楽しくやりましょうや。

 ==ですねー。 よろしくお願いしますね、姐さん。

 ――よろしくです。 ってか、司会やってみます? 御前。

 ==うわ、無理ですって! こういうのは…筆者である姐さんの方が適任でしょう?

 ――うーん。 しかしなぁ…司会が変わるというのも雰囲気が一新していいかな、と…私も楽できるし(ぽそ)



 をいをい(汗)。
 はじめっから楽しようとする筆者ってどうなんよ。
 …まぁ、試しに言ってみただけなんで、スルーしてくださいv



 ==でも、みんな初めましてなんですよね。 こんなに個性的だとは思いませんでした。

 ――すまん、御前。 ここの娘達はみんな私の頭ん中の設定なんで………

 ==いや、私が言いたいのは娘達の事だけじゃないンです。 姐さんの事も個性的だって。

 ――あは、それはよく言われることだけど…



 「あーだから私、こんな性格になっちゃったんだ」
 「なっちゃったって…とりあえず悲観するのは止めようよ、英蓮」
 「アタシはこの性格、気に入ってるけどね!」
 「…様々なヒロインっていうのがこの企画の趣旨だし。 私はみんなに会えたことが一番嬉しいわ」

 ――嬉しいこと言ってくれるなぁ、緋祢。



 そう。
 今回、関係者を全員集めたのは、半年を過ぎた節目ってのもあったけれど………
 改めてみんなと出会えた喜びをみんなで分かち合いたいと思ったからなのだ。
 緋祢の口からその言葉がタイムリーに出たのも嬉しい事実だけど、何より――



 ――娘達を生み出してくれた御前に、この場を借りてお礼を言いたいんですよ私。

 「うん! 私も感謝するよ。 だって…飛鳥んところで燻ってたら、あんな綺麗な服を着る事もなかったし」
 「だよね、英蓮。 私も…緋祢っちと友達になれたし、紫緋姉には頭が上がんないよ!」
 「私も…紫緋様には頭の下がる思いですよ。 おかげで視野が広がりました」
 「そうそう。 私なんか新しい武器も持たせてくれたし! 早く振るいたいっ!」
 「飛鳥の我が儘が形になったからこそ、私という人物も生まれた。 これが合同企画のいいところだな、翠耀」
 「そうね。 紫緋が私達の絵を描かなければ、私達の話もなかったんですもの…ありがとう、紫緋」



 筆者の台詞に、娘達が次々に反応し礼を述べた。
 取り囲むようにして輝く瞳を御前に向ける様子は…まるで久し振りに母親に逢った娘のそれに似ている。
 実に感動的な場面だ。
 しかし、私と御前を挟んだ隣にいる明灯だけは…湯飲みに入ったお茶を静かに飲んでいる。



 ――明灯、あんたは御前に何も言わんのか?

 「えぇ、私は………言わなくとも紫緋さんはきっと解ってくださいますから」

 ――おぉ、流石は深い絆で結ばれた者同士だな。



 しかし――
 言わなくても解るとか、言われてみたいぞ私も;;
 こちとら、いぢられるばっかりで感謝される事もないからな………



 「――いいえ、飛鳥さん。 貴女は大切な事を見落としていますわ」



 ――ん?



 気がつくと…御前をはじめ、娘達の視線が一気に私へと向けられている。
 な、なんなんだ恥ずかしい………っ!



 ――ちょ、どうした?

 ==言ったンですよ。 この企画は私と姐さん、二人で作り上げた企画だってね。
    だから――



 ぱぁんっ!!!

 『ありがとう!』



 みんなが手にしたクラッカーが一斉に音を立てて弾けた。
 隣を見ると、何時の間に仕込んだのか…明灯の手にもクラッカーが握られている。
 そして、卓の上には大きなケーキが置かれていて――



 「日頃の感謝の意味も込めて、と紫緋さんが用意したものですわ」



 さ、どうぞ…と呆気に取られるまま明灯からナイフを受け取る筆者。
 うっは…これは思いもよらなかった。
 スーパーでスペシャルなサプライズを用意していたのは…御前もだったのか。
 それで登場も遅くなった、と………



 ………おのれ御前!(何故!?



 うっ、ヤヴァイ。 言いようもない喜びに心が震えて、涙がこみ上げてきた。
 (実はかなりの泣き虫だったりする筆者・俺)
 瞳をうるうるさせる筆者に次々と声がかかる。



 「ほらほら…泣いてる暇はないぞ、飛鳥!」
 「お相手の居ないケーキ入刀はちょっと寂しいけどね」
 「こんな時に痛いところを突くな、夕鷺」

 ――ごめん、でもなんか、涙が邪魔して………

 「…んもう! しょうがないなぁ」



 刹那、ナイフを持つ私の手に添えられた別の手。
 そして――



 「貴女の考えてる事は私にも解るよ、飛鳥。 …ありがとう、これからも宜しくね!」

 ――うん。 こちらこそありがとう、そして宜しく…英蓮。



 二人の持つナイフが、ゆっくりとケーキに食い込んでいった――













 今回は私がしてやられた。
 娘達をハメるつもりが…実は一番ハメられたのが自分だったというオチ。
 やはりオンナは強かだということか!?
 それでも、喜びをみんなで分かち合えたのはいい収穫だと思う。
 これでヒロインコラボも書きやすくなった、と(←何かやらかすつもり



 周りで大きなケーキを切り分け、賑やかに食べ始める娘達を見てみると…
 自分の書いている世界が乱世だと想像もつかない。
 しかし、彼女達も一度お話の中に入れば乱世に身を置く事になる。

 たまには、こういった息抜きも必要か――。

 …と、現在息抜き状態の私が言ってみる(をい)。





 さて、とりあえず私もケーキでも食べますか………



 ――ってをい! 私のケーキがないぞ。

 「あ、ごっめーん! 飛鳥の分、取り忘れた」

 ――あ、ごっめーん! で済むかぁぁぁっ!!!



 うわ、持ち上げて落とす………またしても娘達にやられた。
 やはり、私はいぢられキャラなのか…!?



 「飛鳥、私のを与えよう………仕方ないが」

 ――ありがとう、紅紗。 って………何その高飛車な態度。

 「…って、嘘よ。 紅紗、意地悪しないで素直に渡さなきゃ駄目じゃない」
 「すまない、翠耀。 …いや、普通に渡したら面白くないと思ってな」

 ――やっぱりいぢっとるやないかーい!(泣き笑い)





 …まぁ、みんなが楽しければいいか………。







 ――今日も、幕舎は姦しい――







 劇終。



 第3話アトガキ(半年通過御礼も含みます)

 …というわけで、強制完結いたしました(をい!
 半年通過記念第1弾の3話目(最終話)です。

 前回のアトガキから数日…少々変更いたしました。
 まずは更なるサプライズゲスト出場の辞退(笑
 それは、出してしまっては先が更に長くなる恐れがあったという理由から。
 そして、更なるカオスに陥ると予告していた内容。
 しっかりオチてはいますが…今回はちょっと感動的?なシーンを書きました。
 (たまには筆者も報われたいんですよ… ←出た、本音)
 娘達を満遍なく出すのには少々苦労しましたが、現在やり遂げた感が大いにあります!

 そして、この場を借りまして一言(で済まないかも)。
 このお話だけではなく…この企画をやってこれたのは――
 御前をはじめ、アクセスしてくださった皆様のお力によるものだと思います。
 本当に、本当にありがとうございます。
 半年――長いようで短かったですが、これもひとつの通過点。
 今後もあらゆる引き出しを曝け出しつつ頑張っていきたいと思っておりますので…
 何卒…皆様、今後とも宜しくお願い致します!

 それでは、また別のお話でお会いいたしましょう………。
 お話担当の飛鳥でした。
 (2008.11.11)



ブラウザを閉じてくださいwww