運命の悪戯
「「父上ぇえええええ!!!」」
戦場に響き渡る二つの声。
次いで響く足音。
それに気づいて慌てて上がる制止の声がいくつか。
一足先に駆け出した妹、の背を追うように駆け出そうとして、背に受けた制止の声に凌統は瞬時に冷静さを取り戻す。
「待て!!」
「凌統!を止めろ!」
まで死なせるわけにはいかない、と叫ぶ仲間の声に凌統は「やれやれ」とため息をつく。
それから徐に無言で駆け出そうとする凌統に自分たちの声が聞こえていないのかと慌ててその名を呼ぶが、めんどくさそうに振り返ったその顔から先程までの怒りは消えており、
「何ですか?を止めればいいんでしょ?」
「う、うむ・・・」
分かっているならいい、と頷く呂蒙から視線をの駆けて行ったほうに移してまたため息をつく。
「やれやれ、足だけは無駄に速い・・・」
すでに見えなくなった相手に、早まるなよ、と無駄な祈りをしつつ、凌統は今度こその後を追って敵の中に紛れ込んでいく。
一方、皆の制止など聞こえておらず、怒りに任せて凌統より一足先に父の元へと駆けて行った。
「待て!貴様・・・覚悟はできているんだろうな?」
引き上げようとしていた父の仇に怯むことなく啖呵を切る。
しかし切られた相手はというと億劫そうに振り返ったかと思えば
「何だぁ?まだガキじゃねーか」
つまらなそうに呟く男にの怒りはこれ以上ないほどに膨れ上がっていく。
「誰がガキだ!生きて・・・」
「お前だっつーの!」
生きて帰れると思うなよ、と続くはずであった言葉は突如後ろから伸びてきた腕に首根っこを捕まれ、ため息混じりに溢された言葉に遮られる。
「あ、兄上!?」
離してください、と言う声は敵のため息混じりの「じゃーな」という言葉と続けて鳴る戦場には不似合いな鈴の音に掻き消される。
仇が自分たちには見向きもせずに去っていくことには再び怒りを露にし、待て、と叫ぶものの
「待つのはお前だっつーの!」
という兄の拳骨と共に振ってきた言葉に、もはや沈黙せざるを得なくなった。
「まったく・・・父上には見向きもせずに敵に向かって行くとはねぇ・・・」
何と言うか、可愛げがない、と父であったモノの傍らに腰を下ろしつつ盛大にため息をつく凌統には先程殴られた頭を擦りつつ不貞腐れた顔で隣に腰を下ろしつつ
「武人が敵に向かっていくのは当たり前です!それより、なぜ止めたのです?」
「はぁ・・・お前一人で向かって行ったところで勝てる相手じゃないだろう」
父上がこうも容易く討たれた相手にお前如きが一人で向かって勝てるはずもないだろう、と至極当然のことを言われては返す言葉がない。
ただ項垂れて唇を噛む。
「・・・兄上は、悔しくないのですか?仇を討ちたいと思わないのですか?」
「そんなはずないだろう!」
先程までとは打って変わって怒りを露にする凌統には恐怖を覚え、身を竦ませる。
それでも消え入りそうな声で「ではなぜ・・・」と握った拳を振るわせ、切れて血が滲むほどに唇を噛み締めて呟くに凌統は再び怒りを抑えてため息を一つつく。
それからポンッとの頭に手を置いて言い聞かせるように言葉を紡ぐ。
「俺は、お前まで失いたくはない・・・」
「っ、兄上?」
驚いて顔を上げるに凌統は悲しげに笑う。
「今は敵わなくても、あいつとはきっとまた見えるさ。乱世が続く限り、ね。」
その時までにもっと強くなって、再び見えたとき仇を討てばいい、と言う凌統にももはや頷くしかない。
「・・・次に見えた時は、絶対に、逃がさない・・・」
瞳に怒りとは違う、強き光を宿しては誓う。
父の仇は必ず討ってみせる、と。
「どういうことですか!兄上!!」
「いや、俺に言われても・・・どういうことですかね?呂蒙殿」
父を目の前で殺されてから早数ヶ月。
あの日以来、仇を討つためだけに今まで以上に必死に鍛錬をしてきた。
ところが、父の仇と恨んでいた相手が呉に降ったという。
突きつけられた現実には怒りを露にし、それを宥める側にある凌統は怒りを内になんとか押し込めつつ事情を知るであろう呂蒙に詰め寄る。
二人の勢いに詰め寄られた呂蒙は顔を引き攣らせつつ一歩後退りつつ
「し、仕方なかろう。あいつの腕は今の孫呉にとって必要不可欠だ。だからこそ殿も受け入れたのだ」
自分たちにとやかく言う権利はないのだ、と言う呂蒙に「しかし」とは更に食って掛かろうとするが
「お前たちの気持ちは分からんでもない。だがな、仲良くしろ、とは言わんがこうなった以上、仇討ちは諦めろ」
今日の味方が明日の敵かも知れねば、昨日の敵が今日の味方になることもある。
これが乱世なのだ、と諭す呂蒙に二人は唇を噛み締めるほかない。
と、
「お!おっさん!探したぜ」
背後から聞こえてきた声に呼ばれた呂蒙は「間の悪い」と額を押さえ、凌統は顔を顰める。
に至っては隠すことなく敵意を向き出しにして近づいてくる男、甘寧を睨みつけたかと思えば
「私は認めない!貴様など、認められるはずがない!!」
「あ、おい!!」
啖呵を切って駆け出すに呆れたように凌統が声を駆けるがすでにその背は小さくなりつつある。
「ほんと、足だけは速い」とため息をつく凌統とその横で頭を抱える呂蒙に近づいて甘寧は「何だ?」と首を傾げる。
その様子に黙っておくわけにもいかないだろう、と呂蒙はチラと凌統の方を見てから重い口を開く。
「先の戦でお前が討った男を覚えているか?」
呉の勇将だった、という呂蒙に甘寧はしばし思案顔。
途中、凌統の方をチラと見やり、次にの去って行った方を見やって「あぁ」と思い出したというように手を打つ。
「あの時のガキか」
「凌統の前で言うのも何だが・・・あいつもなかなか頑固なところがあるからな。一度仇と狙った相手をそう容易くは認められんのだろう」
甘寧を多少なりとも気遣ってか、「気にするな」と言う呂蒙であるが、
「おっさんに言われるまでもないぜ、俺は全然気にしてねーよ。あいつの好きにすればいい。俺はいつでも受けて立つぜ」
「あんた・・・」
物好きだねぇ、と呆れたように吐こうとした凌統であったが、次の甘寧の言葉にさすがに怒りを表す。
「それに、俺は謝る気はねーからな」
「・・・何?」
険悪な気配が漂い始めたことに気付いて「おい」と慌てて凌統に制止の声を掛けるが、凌統に睨みつけられた当の甘寧はと言うと、怯むどころか涼しい笑みさえ浮かべて
「敵は斬る。仲間は守る。単純だからな、喧嘩ってやつは」
だから敵であったお前らの親父は斬った。
だが仲間になった以上、お前らのことは死ぬ気で守るぜ、と笑う甘寧に呂蒙は再び頭を抱え、凌統は言うべき言葉を見つけられずただ唖然とするのみであった。
「兄上!」
「げっ・・・・・・」
鍛錬を終えて執務室へと向かう途中、前方から怒りを露にドズドズと足音を立ててやってくるに凌統は顔を引き攣らせる。
「げっ、とは何ですか!げっ、とは!!それより・・・どういうおつもりですか!?」
「何のことだい?」
あっという間に距離を詰めて目の前で仁王立ちの妹から視線をあらぬ方向に向けて惚ける凌統であるが、
「惚けないでください!」
といつになく不機嫌なの声音に肩を竦める。
「あいつの事です!あいつの!」
あいつの事、と人目も憚らず怒鳴り散らすを、咄嗟にここではマズイと凌統は自分の執務室まで半ば強引に引き摺るようにして連れて行く。
の言う「あいつ」とは仇である甘寧のこと。
甘寧が呉に降って半年は経とうというのには未だに「認めない」の一点張りで擦れ違うだけでも敵意を向き出しにする。
それを甘寧は嫌な顔一つせず真正面から受け止める。
さすがのとてあからさまに斬ってかかることはしないが、鍛錬にかこつけて容赦ない攻撃を仕掛けても甘寧は逃げることなく真っ向から受け止める。
受け止めるのみで斬り返すことはしない。
甘寧にしてみれば最初に呂蒙と凌統に言った言葉を実践しているにすぎないのであるが、あの時その場にいなかったにそれが分かるはずもない。
最初のころはそれを甘寧の余裕ととり、また自分がなめられているのだと益々憤った。
だがそれが半年も続けばさすがに不審に思う余裕も多少は出てくる。
が、微かに過ぎる疑問を「気のせい」と掻き消し、は頑なに甘寧を「仇」と呼ぶ。
しかし凌統は違った。
最初こそ必要以上の接触は避け、まであからさまではないまでも、顔を合わせれば顔を顰めていた。
暴走するを兄として止める立場にあっては心にどれほどの蟠りがあろうとも容赦なくそれを曝け出すことは凌統には出来なかった。
複雑な心情を抱えたままで時にはを宥め、必要であれば甘寧とも当たり障りのない会話くらいはした。
そうして時が流れていくと共に凌統の中では以上の明らかな変化が訪れた。
出会った当初に感じた妙な感覚。
憎き仇であるはずなのにどこか憎みきれず、戸惑いだけが大きくなる。
それは甘寧の人柄のせいもあるであろう。
ほどあからさまでなくとも、凌統が甘寧にいい感情を持っていないことくらいは分かるであろうが、甘寧はそれを気にも止めずに他の将たちと同じように接した。
それどころか、あれ程敵意を剥き出しにしているにさえ擦れ違えば笑顔で声を掛け、睨みつけられても意に介さずあくまでもマイペース。
そんな甘寧を見ていれば、もはや怒りを通り越し、呆れさえ出てくる。
いつか沸いて出た疑問をぶつけてみたことがあった。
『あんたも懲りないねぇ』
擦れ違いざまにに声を掛けた甘寧。
だが敵意を露に腹部にきっつい蹴りを一発貰っていた。
それをたまたま目撃して話しかけた凌統に甘寧は「イテテ」と呻きつつ顔を上げた。
『なんで怒らせるだけだって分かってて声掛けるんだか』
『あ?何でって・・・仲間だからだろ?他に理由があるかよ』
わざわざ言わせるな、とどこか照れたようにそっぽを向く甘寧であるが、聞いた凌統は益々分からぬという顔。
『仲間って・・・少なくともはそうは思っていないと思うんですがね?』
あんたも分かってんだろ?と問う凌統に甘寧は徐に髪を掻き毟りつつ
『まぁな・・・だが、俺が仲間と認めた以上、あいつも、それから・・・お前も、俺の仲間なんだよ』
分かったか、と言うだけ言って去っていく甘寧を凌統は唖然と見送った。
『あいつ・・・本当に馬鹿なんだな・・・』
そんなことを呟きつつ。
「何をするんですか!兄上!」
無理矢理執務室に連れ込めば案の定「何をする」と喚き散らすに、まぁ落ち着けよ、と席を勧める。
だがは「そんなことより」と執務につこうとする兄に詰め寄って力任せに卓を叩く。
「説明してください、兄上!よりにもよって父の仇と仲良くするなど・・・どういうことですか!」
納得のいく説明をしてください、と怒鳴るに凌統はやはりその話か、と肩を竦める。
「どうと言われてもねぇ・・・今のこの世で仇だなんだっつってもしょうがないだろ?仲間になったって言うなら受け入れるしかないだろ」
「なっ!?・・・見損ないました!」
兄上がそんな人だとは思いもしなかった、と再び力任せに卓を叩いて踵を返すに凌統は慌てて声を掛ける。
「待ちな、。自分だけ言いたい事言って出てこうとすんなっての」
自分にも話したい事があるのだ、と言われては凌統に背を向けたまま「何ですか」と不機嫌に返す。
凌統はそれに苦笑しつつ、
「さっき呂蒙殿に呼び出されてね」
言伝だ、と前置いてから
「姫さんの婚儀が決まったのは知っているだろ?」
「当然です。尚香様に祝宴では剣舞をして欲しいと言われましたから」
「なんだ、姫さん直々に言われてたのか・・・もちろん、受けるんだろ?」
凌統の問いにはまた「当然です」と答える。
孫家の姫直々に頼まれた断れるはずもない。
受ける、と言うに凌統は「それならいい」と安堵の息を吐く。
「ちなみに、相手も聞いてるんだろ?」
一緒に剣舞をする予定の人物を知っているのだろう、と問えば「何のことです?」とが振り返る。
「何だ?聞いてないのか?」
「聞くも何も・・・私は兄上にお願いしようと・・・」
兄上に頼むつもりだったのだ、と言うに凌統は「それは出来ないねぇ」と苦笑する。
それにが「何故」と問う前に吐かれる凌統の言葉にの怒りは最高潮に達する。
「相手は甘寧さんらしいぜ?」
「ふざけるのも言い加減にしてください!」
肩を怒らせて出て行こうとするに凌統は畳み掛けるように言う。
「ふざけてないっての。姫さんの達ての願いらしい。それに殿も面白いって二つ返事で許可したそうだ」
凌統の言葉には言葉を失くして立ち尽くす。
だがそれには構わず凌統は更に続ける。
「で、呂蒙殿の伝言。殿の仰せだ、覚悟を決めて姫様を盛大に見送ってやってくれ。だとさ」
凌統が言い終えると同時に無言で出て行こうとする。
その背に何を思ったか「もう一つ」と凌統は再びを呼び止める。
まだ何かあるのですか、と疲れたような表情で振り返るに止めの一言。
「甘寧さんはあっさり受諾したらしいぜ?」
その言葉にピクリと反応しつつもあからさまに嫌そうな顔をする。
そんなに苦笑しつつ、
「いい加減、片意地張るのはやめたらどうだい?」
「っ・・・大きなお世話です!」
放っておいてください、と言うの言葉は無視で続ける。
「甘寧は・・・お前を大事な仲間だっつってたぜ?」
凌統の言葉を背に聞きつつ、今度こそは凌統の執務室を後にした。
その心に今までは小さくて気付かなかった、いや、気付かぬ振りをしてきた戸惑いを抱えたまま。
「ぅお!な・・・おい!危ねーだろうが!!」
「あら、失礼?」
「・・・お前、絶対わざとだろう」
「へぇ、馬鹿だと思ってたけど、分かった?」
の悪びれもしない言葉に甘寧はガックリと項垂れる。
その周辺では甘寧との練習をヒヤヒヤしつつ見守る幾人かが盛大にため息をついている。
数日前に言伝られた尚香の婚儀に伴う酒宴の席での剣舞の件。
一度尚香自身から話を受けてあっさり承諾していた以上、相手が嫌だからと今更断れるはずもない。
一度引き受けたものを断るなど、のプライドが許さない、ということもある。
更に甘寧があっさり引き受けたとあらば、受けなければ逃げるようで、それこそのプライドが許しはしない。
そんなわけで執務の合間を見つけては二人練習をしているわけなのだが・・・。
少しでも甘寧が隙を見せれば剣舞の練習中であることも忘れたように本気で斬りかかろうとする。
この遣り取りももはや何度目か分からない。
が、今までとは明らかに違うことがある。
だが二人の進展のなさに先行きの不安の方が大きいようでそのことに気付くものはいない。
たった一人を除いては・・・。
甘寧の隙をついて切りかかったまではいつもと同じであった。
その後に甘寧の文句が飛んだのもいつもと同じ。
だが、そこからが違った。
いつもであれば完全に無視でそのまま練習を続けるか、無言で背を向けるかどちらかであったのだが、今日は甘寧の言葉に無意識のうちに言葉を返していた。
甘寧が一瞬目を瞠ったことでそのことに気付いたは居た堪れなくなって背を向けた。
− 私は・・・何をしている? −
「あ、おい!!」
練習は、と問う甘寧に「うるさい!」と返しては鍛錬場を後にする。
明らかに自分の中で何かが変わろうとしている。
だがそれを認めたくない自分がいる。
認める事を恐れている。
今まで父の仇を討つためだけに必死に鍛錬を積んできた。
その仇を仲間と認めてしまうことは、今までの自分を否定するようで怖かった。
「父上・・・私は、どうしたら・・・」
『素直になれ、』
「っ!?父上!?」
突如頭に響いた声に咄嗟に声を上げて、しかしそんなはずはないのだと頭を振る。
冷静に考えて見れば先ほど頭を過ぎった言葉は父が生前、に諭した言葉であった。
自分の気持ちに正直であれ、といつも聞かされていたはそれを頑なに守ってきた。
それ故に融通の利かぬこともあった。
今回のように。
「・・・素直に、なれるでしょうか・・・」
『お前になら出来る』
父の笑顔が過ぎる。
いつか同じ問いを返したことがあった。
あれは初めて兄、凌統と喧嘩した時であったか。
その時の父の言葉、父の笑みを思い出す。
父に背を推され、素直に謝った。
凌統は父の言うように素直に謝るを笑顔で許した。
喧嘩の理由など、もはや覚えてはいないけれど。
− 今なら・・・ −
思い立ったら行動せずにいられない。
すぐさま踵を返して先程後にしてきた鍛錬場へと再び向かう。
途中、一度だけ立ち止まって晴天を見上げる。
− これで、いいのですね?父上 −
記憶の中の父に、今もに笑みを向ける父に確かめるように心の中で問い掛ける。
その言葉に父が確かに頷いてくれたような気がして、は迷いを捨てる。
父を失って以来、初めての笑みを浮かべて今度こそ鍛錬場に向かう。
この空のように、長い間暗闇に覆われていたの心は晴れやかに澄み渡っていた。
本当はとっくに認めていたのだ。
甘寧の力を。
甘寧の人柄を。
甘寧の振る舞いを見ていれば認めざるを得なかった。
だがそれを認める事が怖かった。
だから頑なに拒絶し続けた。
だがもう迷わない。
一度受け入れてしまえば恐れるものなど何もない。
飛び出して行ったが戻って来た事より何より、甘寧は初めて見るの笑みに、凌統を始め心配そうに見守っていた面々は久方ぶりに見るその笑みに驚きを隠せない。
だが当のは気にも止めず、何事もなかったかのように甘寧の前に歩みよる。
「私の、負けだわ」
そう言って戸惑う甘寧に笑いかけて剣を構える。
練習しましょう、と言うに甘寧も一度だけ頭を振って笑顔で答える。
「おぅよ!」
二人の笑みに一同が安堵の息を吐いたことは言うまでもない。
劇終。
投稿者様 : 鎹紫乃瑪様 サイト : レヴール〜夢幻の如く也〜様
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