芸人列伝。
(パラレル設定です…ご注意を)
※ 某イベント会場にて。
ステージ上に数個、色違いの箱が置いてある。
それは人が一人入るくらいの大きさで、無人のステージを明るく飾っていた。
会場には大勢の観客。
彼らは来るべき『その時』を待っていた………。
そして…『その時』が来た。
大きな音を響かせて銅鑼が鳴り響く。
刹那、その場に割れんばかりの喝采が沸き起こった。
舞台袖から姿を現した一人の男。
頭に白南瓜を被り、右手には白い羽扇を携えたその男は。
僅かな髭を湛えた口元に笑みを零し、小走りにステージ中程まで歩を進める。
そして、含みのある声で言葉を放った。
「どうも…諸葛孔明です。
此度はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます」
その声を聞くや否や。
会場は更にヒートアップする。
やんややんやの喝采とステージ上の諸葛亮を煽るような口笛。
すると、諸葛亮は手にした羽扇をわっさわっさと仰ぎながらふふ、と笑った。
「皆さん、楽しみはこれからですよ………」
諸葛亮は愛想笑いをその顔に貼り付けたまま仰いでいた羽扇を下ろすと。
先ずは緑色の箱をその羽扇で叩いた。
「グリーンスネーク、カモ〜ン♪」
すると。
一人の青年が緑色の箱から躍り出てきた。
刹那。
なんと!
諸葛亮目掛けて身体ごと突っ込んだではないかっ!!
「じょぉぉぉぉぉぉぉしょぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」
が…しかし。
「ふふ…姜維。 まだまだ勉強が足りませんね」
諸葛亮はそう言うと軽く身体を翻し、姜維の猛烈なアタックを難なく避けた。
勢い余ってずざざ、とステージに滑り込む姜維。
その身体を一瞥し、諸葛亮はにやり、と唇の端を吊り上げると。
自身からビームを繰り出し、姜維の姿を一瞬にして消し去った………。
鳴り止まぬ気配のない歓声。
それを満足そうに眺め、諸葛亮が次に向かった先は。
赤い箱。
羽扇を口元に寄せて涼しい顔をしていたが、その箱の目の前に辿り着くと。
今度は赤い箱を羽扇で叩く。
「レッドスネーク、カッモ〜ン♪」
すると。
今度は蓋が勢い良く開いた。
中から躍り出た逆毛の『猪武者』…もとい、一人の男。
その男は開口一番…
「暴れるずぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
十戒のごとく人波を割って会場内を駆け抜けながらその言葉を遺し、何処かへと去っていってしまった!
観客が半数近くに減った会場に残された諸葛亮曰く。
「何処へ行くんですか…甘寧殿」
気を取り直して。
諸葛亮が今度選んだのは黄色い箱。
苦笑たっぷりの表情を浮かべたまま、その箱を叩く。
今度は失敗しないように…と祈りながら。
「イエロースネーク…カモォ〜ン♪」
すると…その蓋がぎぎ、と大きな音を立てながら極々ゆっくりと開いていく。
実にもったいぶった演出である。
そして、半分ほど開いた時。
至極奇妙な髪飾りで飾られた黄色い布に覆われた頭が覗いた。
嫌ぁな予感が一同の頭を過る。
そしてその黄色い頭が声を高らかに…。
「これぞ黄天のきせ………
バタンッッッ!!!!!
黄色い頭の奇人が言い切る前に。
その箱は…。
諸葛亮本人の足で見事に閉じられた。
嗚呼、悲しきかな…黄天の奇跡。
残る箱は一つ。
青い箱のみ。
諸葛亮は爆笑渦巻く会場の雰囲気に優しく微笑む。
腹の中では「狙い通りですね」とほくそ笑みながら。
「さぁ…仕上げですよ」
「ブルースネーク、カモ〜〜〜ン♪」
すると。
箱が普通に開いた。 ぱかっと。
ベタやん…と一同がかぶりを振った。
その瞬間。
「これで終わると思うなよ、馬鹿めがっっっ!!!」
開いた箱の中からすっくと立ち上がった一人の男。
右手には諸葛亮と対照的な黒い羽扇。
「馬鹿めがっ!」と言いながらそれを勢いに任せてぶんぶんと何度も振り下ろす。
呆気にとられる一同。
まさに
「そう来たか」
である。
一時の後、それぞれに微妙な笑顔を湛え、会場を後にする。
それを見て諸葛亮は………。
「やれやれ…あなたのおかげでこのステージも中途半端ですよ。
まぁ…これだけ人を『ドン引き』させたんですから…。
ある意味『伝説』になったんではないでしょうか?
ねぇ…仲達殿…」
舞台袖に向かって踵を返す諸葛亮。
一方、司馬懿は。
その様子と、蜂の子を散らすように四散する観客を交互に見つめながら…。
「この私を放置して何処へ行くのだ!馬鹿めが!」
と叫びながら羽扇を振り回していた………。
そして、誰も居なくなった会場内に虚しく響き渡る魏軍軍師の声………。
「馬鹿めがぁぁぁぁぁ!!!!!」
嗚呼、悲しきかな…?
彼らの個性。
劇終!!!(脱兎
管理人アトガキ。
トンデモナイモノヲカイテシマッタ…(何故片言
管理人初のSSがこれって…どうよそれ。
(ネタ的には本望なんだが…)
このネタ。
実は情報屋と情報ツールで会話していて出て来たネタ。
ここんとこ笑いに飢えていた管理人が…。
情報屋と共に『お笑い』に走った結果です orz
会話の後僅か30分で完成。
執筆時間の記録更新です…。
これもどうかと思いますが…それはそれ。これはこれ(何
なんともお粗末な代物ですが…。
一応掲載します(ぇ
念のため。
この作品に対する苦情は一切受け付けません!
悪しからず orz
それでは…マトモな管理人に戻ります(どっちがマトモなんだか
脱兎ならぬ。
反響が怖いので退却ぅぅぅぅぅ!
2007.1.31 飛鳥 拝
ブラウザを閉じてくださいねw (←今更カワイコぶっても…