応報に委ねて










凱旋のさなか、沸き上がる民衆の中に俺がいた。
『俺』は小さく、俺に駆け寄ってくる姿はあまりにも自然で…。
誰も不審に思わずそして誰も止められなかった。
そして…。



「凌統ォ、父ちゃんの仇ィっ!」



焼け付く脇腹の痛み。
熱と対照的な、冷たい刃。

…過去の俺と同じ形相の幼い『俺』…。

…まいったね、こんな時にあんなにまで憎んだ『アイツ』の気持ちが解るなんてさ…
これが憎まれる痛さってヤツか…



薄れゆく意識の中、少年が衛兵に斬り刻まれていくのが見えた…。





気がつくと寝台に寝かされていた。
どうやら一命は取り留めたらしい。

隣を見ると、過去の『俺』が死んでいた。










俺は、少しだけ泣いた。










劇終。




管理人のアトガキ

『想い・時を越えて…』に続き、情報屋ぷれぜんつ☆
陸奥さん、ありがとうございますっっっ!!!

前作に引き続きスンバラシイお話で。
…何度泣かせるんだ、をい(←失礼。

仇討ちをする少年に過去の自分を見るりょとさん。
きっと…これからはキャンネーと仲良くできるよ…ね。

しかし…やはり流石は情報屋。
刃物が出てくるシーンの描写の凄い事!

天才だよ…ホント。
(皮肉ではありません。尊敬です!)


出来ればご感想を頂けると嬉しいです☆


2006.12.14   飛鳥 拝


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