――その異変に逸早く気付いたのは、虎の琥珀だった。
ジャングルの奥深く――こちらの世界と外界との境界にある小さな湖。
何時もは底が見える程綺麗に澄んでいるのだが――
そこから只ならぬ気配を感じた刹那、水の色の変化と共に異様な濁り方をし始めたのだ――。
「なぁに、琥珀? そんなに急いで――」
『のんびりしている場合ではないぞ孟姫。 これは一大事だ』
湖の異変に気付いた琥珀は、程なく相棒の孟姫を連れてその場に戻って来た。
先程水を濁ったものに変えた湖は、依然目まぐるしく色を変えつつ禍々しい雰囲気を醸し出している。
何時もは冷静な琥珀が半端ない動揺を見せている事に目を白黒させていた孟姫は、湖を見た次の瞬間に言葉を失った。
「………何、これ………?」
今まで、湖がこのように変化するのを見た事がない。
水が紫とも茶とも言えない色に渦巻いている。
そして、渦の中心から感じる気配――
…何かが、来る。
刹那、孟姫は身構えた。
念のために持って来ていた己の獲物を両腕に装着し、戦闘体制に入る。
すると――
ざざぁっ!!!
湖で激しく動いていた渦が更なる変動をし、中心へと収束していく。
これは鳴門の渦潮などメではない。
そして、鳴り響く水音が女の悲鳴のように聞こえた刹那――
ぽいっ。
ぽぽいっ。
ぽぽぽーいっ。
離乳食を嫌う赤ん坊のように、湖が何かを連続で幾つか吐き出した。
その様を呆気に取られつつ見つめる一人と一頭。
それぞれの顔と湖を交互に見遣りながら頭の上に『?』を多数浮かべる。
一体、この湖で何が起こったのか――
不思議な事に湖は何かを吐き出した直後、何事もなかったかのように静かになった。
湖の中も、何時も見せる以上の透明度を取り戻している。
それはまるで、異物を吐き出してスッキリしたと言わんがばかりだった。
――しかし彼らが抱く謎は直後、この場で繰り広げられるすったもんだで解明される。
たった今、湖が吐き出した異物(?)たち。
それらが蠢き、それぞれに言葉を発し始めたのだ――しかも大音声で。
「だぁぁぁっ! 何だよ、こんな移動の仕方ってないだろ!」
「あぁん、もう重いわよ! 早くどいてぇぇぇ!?」
「ちょ、何処触ってんのよ!?」
「皆様、ここは落ち着いて行動してくださりませ………って、いやぁぁぁぁ何か触ったぁぁぁぁっ!?」
「ぎゃぁぁぁぁっ! む、虫ぃ!? でかぁぁぁっ!」
「うっは、この展開――まさにカオスだな」
「「「ア ン タ が 言 う なぁぁぁぁっ!!!」」」
南の地に集う華(←雑草含む)
〜女たちの幕舎 番外編〜
突然の展開で失礼いたしました(汗)。
当サイト管理人、そして筆者の飛鳥です。
今回、何故このような事になっているのかと申しますと――
今まで合同企画や前回の拍手お礼(←SS部屋に格納しております)で行なってきた対談『幕舎』シリーズ。
ですが…何時も同じような設定だと流石に筆者も飽きるというもので(をい!
今回、別の設定を考えさせていただきました。
それは――
女達(筆者も含む)をみんな揃って飛ばしちまえ!(ちょwww
というわけで。
今回新たに戦国娘・涼音も加え、別設定で話を書いている南蛮へと場所を移す事にしました。
常夏の地ですし、ちょっと泳ぐのもアリかなーと。
まぁ、所謂『南蛮娘の世界を見てみようツアー』?(←何 故 訊 く
そして、我々女達一行はここ、南蛮の地へ移動してきたのですが――
ただ今、筆者自身思いも寄らない展開に少々戸惑っております(笑←笑い事ぢゃねぇ!
さて――どうしたもんか。
とりあえずは誰も時空の狭間に取り残される事なくこの地に降り立つ(放り出される!?)事が出来た。
が――
「きゃぁぁぁ! 早く、虫、取ってぇぇぇっ!?」
「うっさいな姉さん! 虫なんか無視すればいいだろ!?」
「ぐはっ!? こんな時におやぢギャグ飛ばすな紅英っ!」
「な、ななな何なのですかこれは!? ぬらぬらしてますっ!?」
「うわ気持ち悪っ! ちょ、それ蛭じゃないのぉぉぉ!?」
私以外見事にパニック状態である(汗
言葉だけだとどの発言が誰のものなんだかさっぱり解らない。まさにカオスだ。
――なので、少々解説を加えておこう。
現在、でかい虫に涙目状態なのは武将の英蓮。
普段は大量の血やグロいものを見ても平然としている彼女だが、流石に南蛮特有の大きな虫には悲鳴を上げざるを得なかったようだ。
意外に可愛いところもあるんだな(こらこら)。
その武将英蓮にベタなおやぢギャグを飛ばしたのは紅英。
コイツは設定的に一番年下なのだが、どうやら彼女らの中では順応性が最もあるらしい。
姉さんたちの大声にも動じないところは最早素晴らしいとしか言いようがない。
そして、紅英のおやぢギャグにしっかりとツッコミを入れたのは現代娘の蓮。
パニックに陥っているにも関わらずツッコまずにはいられないのが彼女の仕様。
それでも南国の雰囲気は海外旅行などで既に経験済み。
それを考えるとコイツも順応性は高そうだ。
一方、ぬらぬらした妙な生物に腰が抜けているのは戦国娘・涼音。
ある意味コイツが一番テンパっていると思われる。
なんせ、普段彼女の居る世界は戦国時代の日本。
彼女にしてみればこの世界はまさに『異世界』だからな。
最後は軍医英蓮。
ぬらぬらした生物を一発で蛭と見抜き、咄嗟に行動を起こすのは流石軍医といったところか。
今は混乱して暴れている涼音に怯む事なく蛭を引っぺがし、その場所に処置を施している。
うむ、チームドクターとしては素晴らしい行動力だ(ちょwww
以上、5人の華々しい娘たちがここに勢揃いしている。
――おっと彼女を忘れてはいかん。
今パニックに陥っている女達を大口開けてぽかんと見ている娘。
彼女はこの南蛮の地で主役を張っている孟獲の娘で、名前は孟姫(通称・もーむす)。
その彼女を含めると実に6輪の花だ。
ん?私?
うーん、私は――雑草でいいや(笑
ちゅーわけで、ここでやっとウチのサイトで活躍している女達が全て揃ったわけだ。
うぬぅ、しかし………
ここから先、どーすんべ(←責任感皆無
とりあえず――
彼女らを落ち着かせるべく、南蛮娘・孟姫に話を振る事にしよう。
(アレに私が口を出したら益々埒が明かなくなりそうだしな←をい)
――よう孟姫、久し振り。 相変わらず元気だな。
「うん、もちろんだよ! 元気が一番、てお父ちゃんも言ってくれてるしね」
――そか、それなら安心だ…いきなりすまんが、その元気であの連中を何とかしてくれ。
と、後ろのカオスを指差す筆者。
「え!? 何とか、って…静かにさせろって事?」
――ご名答。 ヤツらは私が言うのも何だが、結構頑丈なんでな。
「………そういう事かぁ。 ん、解った! 何とかしてみる!」
――頼むぞ、孟姫。
うむ、この娘は何かと頼りになる。
筆者のスランプ時にも世話になっているしな。
何より…彼女の腕力には――
ん? ちょっと待て。
ヤヴァイ!孟姫に頼んだら――
「お願いっ!みんな落ち着いてぇーーー!!!」
つかみっ。
ぽいっ。
むんず。
ぽぽいっ。
がしっ!
ぽぽぽーいっ。
………や っ ぱ り orz
案の定、孟姫必殺の投げによって再び放られる娘たち。
うーん、意外に呆気なかったな(←そんな言い草あるかいだ
しかし、この場のパニックは娘たちが伸びる事によって収束した。
まぁ…投げたのは私じゃないし、怒りの矛先がこちらに向く事はないだろう。
………多分な(滝汗)。
幸い、気がついた娘たちはすっかり落ち着き――何時もの元気な様子が復活していた。
(いろんな意味でホッとしたのは言うまでもない)
そこで私は当初から頭にあった計画を実行に移す事にする。
――そう、南蛮の海での海水浴♪
とゆーわけで(笑)。
我々は孟姫(と琥珀)の案内を受けて今、漸く海へと辿り着いたところなのだ。
その道中――
見慣れない土地で戸惑うかな、と思っていた涼音もビクビクしながらだがなんとか受け入れる事が出来たらしい。
恐る恐るあらゆるものを指差しながら「孟姫、これは一体何なのですか?」と、興味を示していた。
一方の孟姫もたくさんの来客が嬉しいのだろう、何時もの元気に拍車がかかっているようだ。
突如『質問魔』に変化した涼音にだけでなく、私達にも聞こえるように大きな声で詳しく説明してくれていた。
気分はツアコン、といったところか(をい!)。
他の娘たちも先程のパニックは何処へやら、楽しげにキャーキャー騒ぎながら後をくっついて来た。
蓮はともかく、遊び目的の海水浴は初めてなのだろう。
言いようのないワクワク感が私にも伝わって来る。
………かと言う私もワクワクしているんだが(笑
程なく、視界に広がるは永遠に続くかと思われる白い砂浜と真っ青な海――
うわぁ………こりゃすげーや、と娘たちに雑じって私も感嘆の声を上げる。
いや…お恥ずかしい話だが、私も島国根性丸出しのヤツなんでな(苦笑)。
…おっとと、ここで時間を無駄遣いしてはいかん。
と思った私は早速持参していた大きな袋の中身をその場にブチ撒ける。
「うっは飛鳥! 抜け目ないね!」
――いやいや…流石に服のまんまで泳がすわけにもいかんだろう。
やはり最初に食いついてきたな、蓮。
袋の中身――これは私が先日大量に仕入れた水着だ。
やっぱり海水浴といえば水着だし………何よりこの娘たちがそこまで用意周到だとは思えない。
っつーか、そもそも海水浴という概念が三国や戦国の時代にあったかどうかも定かではないしな(←筆者的に)。
………え?
それならこんなにたくさん要らんだろう、って?
いやいや何を言いますのん。
常夏の南国といえばビーチ! そして水着美女でしょーがアナタ!
とゆーわけでだ。
とどのつまりが、これからこの娘たちに好きな水着を着てもらおうという魂胆なのだ私は。
さて、どんな水着をチョイスしてくれるか………見ものだな、うひひ。
(気分は下心丸出しのオッサン)
しかし――
現代娘の蓮は置いといて、他の娘はこの水着たちを目の前に目を白黒させるばかり。
ここに来る前、蓮を除く彼女らには現代の世界における水泳の概念を軽ぅく言っといたんだが…。
うーむ、やっぱり水着という概念まで説明しておけばよかったか。
と思っていると――
「飛鳥たちの世界ではこれらを身に着けて泳ぐのが慣わしなのですか?」
――いや涼音、慣わしとかそーいうもんじゃなくてな…うーん、何て言ったらいいのか…おい蓮、上手い事説明してくれんか?
「うわースク水まであるじゃん! 私、懐かしいからこれにするわ、飛鳥」
――いいのか蓮! その理由でスク水選んじまっていいのかっ!?
やっぱり蓮はマイペースである。
水着の山を指差して「これもファッションだよ、涼音」とあっさり言い残して少々離れた叢へとすたすた歩いていく。
ちょ、待て。
ファッションって言葉、彼女らに解るわけないだろーがっ!!!
っつーか、簡単にスク水を選んだところに思わず素でツッコミを入れちまったよ orz
他にもたくさん用意してるんだぞ。
まぁ、ね………遊びでスク水を入れた私も悪いんだけどさ(汗
うむ、これは仕方ない。
とりあえず何気にナイスなチョイスをした蓮は放っといてと(笑)。
今、蓮が言った『ファッション』という言葉を借りつつ他の娘たちに説明をする。
パニックにはなるものの(笑)順応性のある娘たちだ、直ぐに理解してくれるだろう。
「…成程ね。 だったら問題ないじゃない、みんな」
「武将英蓮の言う通りよ。 折角だもの、楽しまなきゃ!」
「うんうんそだね――って、姉さんたち見るの早ぁっ!?」
――乗り遅れるなよ、紅英。 姉さんたちは百戦錬磨だぞ。
………何のだ。
一方――
水着を前にキャーキャー騒ぎ始めた三国娘たちを尻目に、涼音は何か言いたそうだ。
どうした?と私が訊くと、どうやら彼女は予め自分愛用の水泳着を持参してきたと言う。
ふむ…ここは戦国時代の水着のリサーチにもなるな。
と思った私は、直ぐにでも着替えてきてくれ、とお願いした。
「お待たせしました、飛鳥」
………待つ事数分。
既にスク水(笑)に着替えていた蓮と共に現れた涼音の姿に、私自身が目を丸くした。
ちょ、おま、それ………
――ふ、褌ぢゃねーかよ涼音っ!?
(筆者・紅い津波警報発動のお知らせ)
「あら、いけませんか? 私は何時もこの姿で水に入りますが」
――いや上のサラシはいいんだが…下はいかん! 後ろは紐じゃないか!尻丸出しだぞ!
「これは『黒猫』というものでですね…れっきとした水泳着なのですよ」
――そうは言ってもなぁ…それは流石にサービスしすぎだと思うんだが(←誰にだ)。
「仕方ありませんね、それでは――」
しゅぱっ!
しゅるしゅる………
ぱつんっ!
「――これで如何ですか? 飛鳥」
――ふむ、越中か………それなら尻は丸出しではないし、百歩譲ってよしとしよう。
目にも留まらぬ素晴らしい早業で褌を『黒猫』から『越中』に着け替えた涼音にも驚いたが…
戦国時代のうら若き娘が褌とは………っ(←紅い津波警報再び
思いも寄らない展開に筆者自身が喜んで戸惑っているのは言うまでもない。
(余談だが、現代の巷で売られている『クラシックパンツ』とはこの越中褌の事である)
しかしだ。
もっと気になるのは、先程から姿を忽然と消している孟姫である。
ヤツは生来天真爛漫だからなぁ………ヘンな格好で登場しなければいいが――
「飛鳥ぁ、みんな着替えた?」
――おぉ、戻ってきたか孟姫………って、ちょ、おま、何て格好をっ!!!
「ん? 何言ってんの、飛鳥? あたし、いつも泳ぐ時はこうだよ?」
――いっかーん! それはサービス過剰すぐるっ!
ヤバイ、危うく貧血で倒れるところだった(苦笑)。
何処で脱いできたのか…現在の孟姫は生まれたままの姿。
幸いに、肝心な部分は虎の琥珀が邪魔して隠しているので全部見えているわけではない。
………っつーか、耳を必死に立てて胸の突起物を隠している琥珀、アンタは偉いよ orz
――ごめんよ孟姫。 とりあえず何か身に着けてくれ…他の人間も居る事だしな。
「うん、解った! じゃぁねぇ………(その辺の砂浜を探る)………これは?」
………と、孟姫が差し出してきたのは大き目の貝殻。
ぬぬ、これはっ!?
――貝殻もダメっ! それは現代では最も危険なアイテムだっ!
「っつーか、それはある意味一番エロい! 最強だっ!」
孟姫的には何も考えていないのだろうが………流石にコレはいかん。
蓮も同時にツッコミを入れているように、現代ではよくエロネタ?で使われているからな。
というわけで、孟姫には別の水着を選んでもらう事にする………が。
「飛鳥、折角だから一旦ウチに帰っておかぁちゃんにいいものがないか訊いてくる!」
少しの後、何かしら思いついたのか自宅へ帰っていった。
てーーーーーっ!と物凄い速度で走りながら(笑)。
うーむ………孟姫の母親――祝融が選ぶ娘の水着、コレもある意味見ものだな。
ここは楽しみに待つ事にしよう。
ふむ、これで水着?が決定したのは2人か。
どちらも………ある意味ネタな格好なのだが(笑)。
では、そろそろ私も何か選ぶか、と水着の山へ視線を走らせる。
すると――
「うわ、これ素敵! 私これにする!」
「ちょ、待ってよ軍医英蓮! 私もそれがいいって思ってたんだから!」
「ダメだってば! これは取ったもん勝ち! もう私のものだからね!」
「誰がそんな事決めたってのよ! これだけは譲れない!」
………わはは、再びのカオスだ orz
軍医と武将――二人の英蓮が一つの水着を取り合っている。
負けん気が強い性格が同じなら、好みもどうやら同じらしい。
一つの物を取り合うその姿は、さながらバーゲンセールでのオバチャンたちだ(笑)。
私も彼女たちの性格も考慮して持って来ればよかったんだが………
これはこれで面白いのでほっとこう(←いいのか!?
そして、さっきから居ないなぁと思っていた紅英だが――
「あははっ! ここの水、すっごく気持ちいいぞ♪ なぁみんな、早くおいでよ!」
――は、早ぁっっっ!?
実に素晴らしい。
姉さんたちの猛攻?を見事掻い潜って、既に自分の水着をチョイスしていたらしい。
早くも着替え、誰よりも先にもう海に入っている。
やはり、オノレの好奇心には勝てなかったか。
んで、彼女の姿をよーーーく見てみると――
明るいオレンジ色をベースにしたAライン水着がとてもよく似合う。
うむ、同系色のセンターストラップとスカートがとてもチャーミングだ。
…だが、センターストラップはある意味つるぺったんを認めてるようなもんだぞ(苦笑)。
っつか彼女にしては少々マトモすぎないか?とネタ人間の性が疼き出す(をい)が………
あのキャラだけに、たまには可愛い格好がしたいのだろう。
と言うより、予想以上に可愛いので私が許す!
うーむ………。
ここだけの話、私も紅英と一緒に早く水浴びをしたいんだが………
二人の英蓮が繰り広げるバーゲンセール?に参戦するのも怖いしなぁ(苦笑)。
さて、どーすんべ。
と、思ってると――
てーーーーーっ!
おぉ、孟姫が自宅から戻ってきた――てか早ぇ!?
「ただいまー飛鳥♪」
――お、おかえり、孟姫。 随分早かったな(汗)。
「うん! 帰って直ぐにおかぁちゃんと話してね、そしたらおかぁちゃんが『そういう事ならコレ着て行きな!』って」
――そっか………ん? それ、私見た事あるんだが…
「そーなの? これね、おかぁちゃんが昔着てたやつなんだって!」
――お、成程。 タグ理解ってとこだ。
今孟姫が着ている水着…というよりコスチューム。
それは、祝融姐さんが以前ゲームで着ていたコスチュームなのだ。
うん、未だ色気とは縁遠い(こら)孟姫が着ても可愛いなこれは。
まさに南国の娘が着るに相応しいものだな…流石だK●EI(←微妙に伏せてねぇ!)。
――ちゅーわけで水着が決まったらとっとと海に入っていいぞ、おまいら。
「え、マジ? んじゃ行こう、涼音!」
「はい! 遊びで泳ぐのは初めてなので…ご指導願います、蓮」
「あははっ! 遊びには理屈も何も要らないよ、涼音!」
…と、笑いながら走っていくスク水と褌の後姿。
そして、嬌声を上げながら既に紅英と戯れ始めている孟姫へと向かって行った。
――さて………残るはお前らだけだぞ、姉さんども(苦笑)。
「「えっ!? あぁっ!みんなずるい!」」
――ずるいって………あのな、自業自得だと思うぞ私わ。
結局のところ、二人ともかなり迷ってしまっているらしい。
さっきのバーゲンセール状態から抜け出せたのはいいが、流石はお洒落と聞いて黙っていられなかったようだな。
それぞれに候補があるらしく、彼女らの前にはしっかりと2〜3着づつ並べられていた。
――すまんなお前ら。 これはたくさん持ってきた私の落ち度だ。
「ううん、飛鳥。 私は貴女に感謝してるわ――だって、こんな経験ないもの」
「だよね、軍医英蓮。 着るものに迷うのも滅多にないし…これは貴重な体験よ」
――ありがとな、二人とも。 こんなくだらん事に付き合わせちまって。
「いや、くだらなくはないと思うよ飛鳥。 私達も楽しいし、それに――ほら」
見てみなさいよ、と海を指差す武将英蓮。
それに従って私も海の方を見遣る。
すると――
「広いですね………きゃっ! 何するんですか、孟姫!」
「ぼさっと遠くを眺めてる涼音が悪いんだ! ボクからもいっくぞーーー!」
「うっは、海綺麗すぎ! 水が超冷たぁい♪」
「あたし自慢の海岸だからね! もっと楽しんでねみんな!」
大きな海に溢れる笑顔、笑顔――
その楽しげな姿を見てると、こっちもハッピーになる。
「あの娘たちは何も言わないけど………あれが彼女達の返事だと思うわ」
――そっか。 ありがとう、軍医英蓮…そう言ってくれると私も一安心だ。
「それより――飛鳥」
――ん? なんだ?
「いい加減、私達の水着、選んでくれない?」
………。
それくらい自分で選べぇぇぇっ!?
(テラ他力本願フイタwww)
そんなわけで、結局私が選ぶという形で二人の英蓮の水着も決まった。
(ここからはファッションショー的な見方でご覧くだされ!)
まずは武将の英蓮。
彼女のお相手といえば彼………という事でチョイスした色はブルー。
ブルーと言ってもちょっと濃いめの――マリンブルーといった感じ。
そして水着のデザインは………やはりここは色気を出してもらおう、とビキニをチョイス。
しかも、普通のではなく――少々エロくブラジリアンに近いセクシーなもの!
彼女の健康的な色気を放出するにはもってこいだろう(こら!
そして、軍医の英蓮だが…
こちらは普段戦場であまり目立った動きをしないんで…色をピンクとしてみた。
ピンクと言っても明るくなく…どっちかと言えばワインレッドを薄くしたような感じ。
デザインは――
彼女曰く「何かあったらいけないでしょ?」という事で、何かと動き易い方がいいという彼女の希望を酌んでワンピースに。
いやしかし…武将よりも胸がデカかったのに驚いた私(←そのためにもワンピースをチョイス;;)。
と言っても、しっかり色気を出さねば(をい)、とバックスタイルはベアバックで背中を大いに出してもらう。
そして可愛らしさも、という事からホルターネックで後はリボン結び。
どうだ! これでビーチの主役も決まりだな、英蓮!(←威 張 る な
だが――
その着替えた二人の英蓮の背後から襲い掛かる影!
「そんなもんで隠しても、でっかい乳は隠せないぞー♪」
方や武将英蓮の乳をわしっと掴むのは紅英。
「そうそう、私も一度やってみたかったのよねー♪」
そして、軍医英蓮の乳を鷲掴みするのは蓮だ。
おぉ、これは凄い。
筆者自身も悶えるシチュエーションだぞこれわっっ!!!
(↑最早オッサン末期の筆者)
筆者のファッションチェック?も終わり、意気勇んで海へと駆けていく娘たち。
そして…次第に彼女たちの嬌声も大きくなっていく。
うむ、水着美女の海と戯れる姿は…実に鼻血モンだ(←何処のエロオヤジだアンタわ
しかし、先程言ってくれた英蓮の一言。
「あの娘たちは何も言わないけど………あれが彼女達の返事だと思うわ」
あれは実に嬉しかった。
そして今、英蓮たちも同じように私に返事してくれている。
我ながらアホな企画だとは思ったんだが――
彼女たちの様子を見ていると私のアホな発想も少しは役に立ってるんだなって思える。
本当に、彼女たちと出会えてよかったなぁ…
と思いつつ私も自分の水着をチョイス(笑)。
ん、まぁ…私はサービスしてもしゃーないのでスタンダードな花柄ビキニにパレオといったところかな。
と着替え終えてビーチに出る。
刹那――
「ぱ、パレオは邪道だぁーーー!!!」
と聞いた事のある声が響いた、ような気がしたんだが――
まぁ、気のせいだろう(苦笑)。
「うぅ…何故飛鳥はパレオなんだ………」
己の拳を握り締めながら悔しさを噛み締めている男がここに一人。
…そう、コイツこそ当サイトの情報屋である。
南蛮の地にて海水浴をする、との飛鳥の企画に事もあろうか密かに参加しようと付いて来たのだ。
そして、今までの様子を茂みの中から窺っていたのだが――
「おぅ、お前、いい度胸してんじゃねーか!」
突如、背後から凄味のあるゴッツイ声が響いた。
情報屋がはっと息を呑み、恐る恐る後ろを振り返ると――
「わしの娘――孟姫の裸、見やがったなぁ………!?」
孟姫の父親――孟獲の様子はまさに怒り心頭。
今にも情報屋に飛び掛りそうな勢いである。
それもそうだ。 今迄の場面で、一瞬だけ登場した娘の全裸。
虎の琥珀が思いっきり邪魔して隠してはいたが、情報屋の頭の中では妄想が膨らんでいるだろう。
それを男に見られたのだから、怒るのは無理もない事だ。
首根っこを引っ掴まえられ、ずーるずーると引き摺られる情報屋。
しかしヤツも百戦錬磨(←何のだ)、そう簡単に引き下がらない。
「ちょっと待て、孟獲」
「あぁ!? この期に及んで何が言いてぇんだ?」
「…これはチャンスだと思わんか? あれだけの水着美女を拝めるなんて事、滅多にないぞ」
突如情報屋の発した一言に手が止まる孟獲。
――これは、チャンス。
地元の美女はこれまで何度も見てきたが――今ビーチに居るのは現地以外での美女、それもタイプの違う娘たちだ。
その娘たちが今、水着姿を惜しげもなく披露している。
刹那、孟獲の中にある男の本能が騒ぎ出した。
男二人見つめ合って一つ頷き、そして――
今迄情報屋の潜んでいた茂みに二人はスタンバイした。
目の前に繰り広げられるは楽園――
太陽に煌く海に、弾ける笑顔。
水着に身を包んだ女がビーチに出れば、誰もが女神になれる。
水際には、泳げない紅英がパシャパシャと水と戯れ――突如襲った大波に怒りをブチ撒けている。
その沖を見れば――立ち泳ぎからバタフライへ見事なコンビネーションを見せる涼音が居て。
浜辺では先程のバーゲンセールの再戦!とばかりにタイマンでビーチバレーに興じる二人の英蓮と――
それを避けるような場所で楽しくスイカ割りをする蓮と孟姫が居る。
南蛮の大王とその妻が統べるこの地には、乱世の暗い影もない。
笑顔と明るい歌が似合う、そんな国。
ここは、南蛮という楽園――
「ちょっとアンタたち、いい度胸してんじゃないのさ!」
――ビクッ!!!
刹那、鼻の下を伸ばし、締まらない顔でビーチを眺め続けていた男たちに掛かる声。
突如響く声とそれが纏う黒いオーラが今、彼らを襲う!
「琥珀に引っ張られて来てみれば………アンタ、帰ったらただじゃ置かないよ!」
「うわ、かぁちゃん! いや、こ、これには深いワケが――」
「言い訳は通用しないよ! さ、行こうか琥珀………そこのアンタも、どうなるか…解ってんだろうねぇ!?」
「「うぎゃぁぁぁ! ご、ごめんなさいぃーーー!!!」」
ずーーーる、ずーーーる。
祝融と琥珀に引き摺られる男二人。
果たして彼らの運命や、如何に!?
そんな事があったのも露知らず――
娘たちの楽しい海水浴は、その後暫く続きましたとさ。
終わりv
アトガキ
こちら、拍手お礼の粗品でございます。
まずは予想以上に長くなってしまった事をお詫びいたします。
本当にすみません orz
今回はヒロイン座談会ちゅーのも何なんで、みんなで南蛮へお邪魔いたしました。
いや、常夏の土地で泳ぐ…っつーか水着ネタは一度やりたかったネタなんですよねwww
今回はアノ方やアノ夫婦も登場してるんで、名前変換もありかなーと思ったんですが――
6個も名前変換させるのも気がひけたんでやめました(爆死
お礼としては些か物足りないような気がしますが――
少しでも楽しんでくだされば幸いに思います。
ここまでお読みいただけただけで幸せです、アタクシ。
あなたが押してくださった拍手と、細かいネタ(笑)をくれた情報屋に――
これ以上ない程の感謝の気持ちをこめて。
2009.07.24 御巫飛鳥 拝
ブラウザを閉じて下さいませ。