『真・OROCHI学園−2−』  〜 もしもアノ人が学園の●●だったら!? 〜

注 : パラレル設定です。苦手な方はお読みにならない方が宜しいかと…。
    こちらは台本形式のお話となっております。

因みに…主人公(女性)は転校生という設定です。



☆ ☆ ☆


   ここはあの、無双キャラが多数出現するという学園。
   はひょんな事からこの学園の『2年呉組』の仲間入りを果たした。

   そして、何事もなかったようにHRの幕が上がった――。



   ――かに思われた。
   しかし、次の瞬間…廊下の遠くからが聞き慣れた声が近付いてきた。


???  「また遅刻かよ…」
???  「今始まった事じゃないっつの」


   このクラスは呉組………という事は、彼等もここの一員だ。
   遅刻だと解っているにも関わらず、近付く足音はいたって普通。
   反省の色は微塵も感じられない。
   その音を耳に感じながら呂蒙『先生』は盛大な溜息を吐く。


呂蒙   「はぁぁぁぁぁ…」
   「(心の声)余程苦労してんだな、オッサン………」


   設定年齢的には然程歳を食っていないのだが、その様子は疲れたオッサンそのもの。
   は同情に近い思いを胸に抱くのだった。。。





   程なく、教室のドアが勢いよく開けられ………仲よさそうに肩を組みながら入ってくる二人の男。
   そう、先ほど校庭にて取っ組み合いの大喧嘩をしていた二人――甘寧と凌統だ。


甘寧   「すまねぇ、オッサン! また遅刻しちまった!」
呂蒙   「すまねぇ、では済まされんぞ! …てか、オッサンは止めろと言っている!」
凌統   「まぁまぁ…授業に間に合っただけでもよしとしてくれませんかね?」
呂蒙   「出来るかっ!!!」


   この会話には『先生と生徒の会話じゃないな』と思う。
   やはりこの辺は無双仕様なのだろう………は笑いを堪えるのに必死だ。

   しかし、その笑いは直ぐに止まる。
   の座っている席は本来甘寧の席だったのだ。
   甘寧がを見た瞬間、怒りを露にするのは無理もない。


甘寧   「ちょっ…お前! 俺の席で何やってやがる!」
   「えっ…あの…私の席、ここだって言うから…」
甘寧   「誰だ! そんな事言ったのはっ! くっそータダじゃおかねぇ!」


   鋭い視線で教室中を見渡しながらぷりぷり怒っている姿はガキそのもの。
   拳を握り締め、今にも誰かに飛び掛りそうな勢いだ。
   その姿に必死に縋りつく凌統と、席から立ち甘寧に近付く


凌統   「甘寧! ここで暴れたら停学間違いなしだぜ? 落ち着けっての」
甘寧   「止めてくれるな凌統! これじゃ腹の虫が治まらねぇ!」

   「腹の虫…(考え込む)。 あ、甘寧…これ食べる?(とカレーパンを差し出す)」
甘寧   「ん? お、美味そうだな…悪ぃな、遠慮なく貰っておくぜ」


   ――なんという展開。
   甘寧はが差し出したカレーパンを徐に食べ始め、この場がすっかり落ち着く。

   …つまりは、カレーパンで買収されたという事か?

   ――この事実に教室に居る面々が揃って笑いを堪えたのは言うまでもない――





   意外な展開だったが、漸く落ち着き…HRが再開すると思いきや――

   キーンコーンカーンコーン♪

   高らかに鳴るチャイム。
   瞬間、生徒達一同がわっと歓声を上げ、そして――


呂蒙   「はぁぁぁぁぁ…」
   「(心の声)やっぱり苦労してんだな、オッサン………」


   呂蒙『先生』の盛大な溜息で、ドタバタなHRは幕を閉じた。





   次の授業までの休み時間――
   の周りには甘寧や凌統、そして隣には初めての友達とも言うべき大喬の姿があった。


凌統   「ほら甘寧、言っただろ? 転校生は間違いなく女だってさ」
甘寧   「ここまで凌統の言う通りになると悔しくもならねぇな」
凌統   「ま、さっきの喧嘩はこれで『おあいこ』って事で」
甘寧   「くっそ………俺の昼飯がぁ………」
   「賭けかよっ!」


   転校生の性別、そして朝一番に見たあの喧嘩………
   あらゆるものを賭けの対象にしている事実を知り、が盛大な溜息をついた。

   しかし、一つだけ解ったような気がする。
   『喧嘩するほど仲がいい』という言葉そのものの彼ら。
   無双でもその辺が描かれていたりするから、なんとなく微笑ましくも感じる。


   「ねぇ、大喬。 この人たち…全然タイプが違うのに仲いいよね」


   緊張感から完全に解放され、隣の大喬に話を振る
   ところが――


大喬   「あの方たち、付き合っているって噂ですよ」
   「えっ…!?(引き)」
大喬   「だって…甘寧様は男子に好かれている兄貴分ですよ。で、凌統様は…『凌統』だけに『両刀使い』ですから。
        ぷっ…くく…あははははは!!!」
   「この娘………ヘン(ドン引き)」


   無双での彼女からは想像もつかない台詞にの心が2メートルほど引いた。
   しかし、同時に笑いがこみ上げているのも事実。

   甘寧と凌統の関係が彼女の言う通りなのかは定かではないが――

   どっちにしても、この先の学園生活は間違いなく楽しいものになるだろう………

   と、はほっと胸を撫で下ろしたのだった――。





とりあえず劇終(笑)。





アトガキ

拍手お礼粗品………『OROCHI学園』その2です。
ハチャメチャでユカイな仲間達が繰り広げるパラレルものですが…
『とりあえず』の言葉にあるように、このお話はナント!
私の頭の中でシリーズ化しておりますです、はい(←また何か言ってます!

風邪の菌が程よく頭をかもしているらしく、いい感じ?に笑いのツボがきました(ぇ

続編を楽しみにしていた方々…長らくお待たせいたしました。
お礼としては些かおふざけが過ぎていますが…
少しでも楽しんでくだされば幸いに思います。


とりあえず、次回?をお楽しみに………

ここまでお読みいただけただけで幸せです、アタクシ。
あなたが押してくださった拍手に…これ以上ない程の感謝の気持ちをこめて。

2008.12.08   御巫飛鳥 拝


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