『続 真・三国医院』  〜 もしもアノ人がお医者様だったら!? 〜

注 : パラレル設定です。苦手な方はお読みにならない方が宜しいかと…。
こちらは台本形式のお話となっております。

因みに…貴女(読み手@女性限定)は患者様、という設定です。
言うまでもなく…『真・三国医院』の続編です。



☆ ☆ ☆


  (前回のあらすじ)
  風邪を何とかしてもらおうと諸葛亮が居るという医院を訪れた貴女。
  だだ長い廊下の突き当たりに聳え立つ物々しい扉の前まで通された。



   その扉は札も看板もなく…診察室なのかさえ解らない。
   待合に座っている貴女は、何とも言えない不安に苛まれる。

   すると。
   その扉が…音も立てずに開いた。
   そして中から出てきた一人の若い男。
   膝丈の長い白衣を翻すところを見ると、彼は医師らしい。
   しかし、きょろきょろと廊下を見やるその姿は未だ少年のようで…。
   貴女は一目見てそれが 『姜維』 だと解った。

   程なく、彼は貴女を見つける。

姜維   「あっ…居ました、丞相! 居ましたよっ! ただの風邪の方がっ!」
貴女   「(…ここでも 『ただの風邪』 かよ… orz)」

   刹那、開けられた扉の向こうから物静かな声がする。

??   「『風邪は万病の元』 と言います。
      いくら研修医とは言え、患者さんに失礼な事を言ってはいけませんよ…姜維」
姜維   「(慌てふためきながら) あぁっ…申し訳ありません、丞相!」
貴女   「(この人も…世界が変わっても 『丞相』 なのね…)」

   その後、貴女は研修医姜維に案内され、扉の向こうに足を踏み入れる。
   不安な気持ちをそのままに………。



   中は極々普通の診察室だった。
   しかし…中に居るドクター諸葛亮を見て貴女は納得する。
   やはりアノ有名なお方だから…雰囲気が凄いわ、と。
   人を見透かすような瞳と堂々とした佇まい。
   白衣をさりげなく着こなしているが、無双世界と同じく白い羽扇を手にわっさわっさと扇いでいる。
   このご時勢、こんなに偉そうな医者は人気がなさそうだが。
   …きっと彼は名前だけで人を呼べるな、と貴女は心の中で呟いた。


   丸椅子に腰を掛け、ドクター諸葛亮とようやく対峙(?)する貴女。
   すると、それを見守っていたドクター諸葛亮が微笑みながら話しかけてきた。


諸葛亮  「ようこそいらっしゃいました。 …現在の状況は如何ですか?」
貴女   「…は、はぁ…。 ここに来た時と変わりませんが」
      (内心 『問診票を見ろよ』 だの、『状況って…ここは戦場かっての』だのツッコミを入れる貴女)
諸葛亮  「私には全てお見通しですよ (問診票をひらひらさせる)」
貴女   「(そりゃそうだ、と心で苦笑しながら)
      …はい」
諸葛亮  「…それでは (と後ろを振り返り、控えている研修医姜維に顔を向ける)
      姜維、あなたはこの患者さんの状況をどう見ますか?」
貴女   「(だから…ここは戦場じゃないってば)」
姜維   「(自信満々で) はい。 この方は…紛れもなくただの風邪です!」

   刹那。
   研修医姜維の頭にドクター諸葛亮の羽扇が飛ぶ。
   すぱこ〜ん! と軽い音を立てながら。

諸葛亮  「私がそのようなベタな解答を期待すると思いますか?」
姜維   「…! すみません、丞相!
      えぇと…。(マジな表情で考え込む)
      まず、咳が酷いのと熱が高いところで喉や気管支の炎症を疑います。
      そして、頭痛と関節痛、だるさは発熱から来ているでしょう…。
      そういった事も踏まえて風邪の一部である 『急性気管支炎』 だと思われます」
諸葛亮  「…結構です。
      姜維、やれば出来るじゃないですか」
姜維   「…あっ、ありがとうございますっっっ!
      嬉しいです…丞相に誉めていただけて…(感涙)」

   刹那。
   すっぱこ〜ん!
   またしても研修医姜維の頭にドクター諸葛亮の羽扇が飛ぶ。

諸葛亮  「喜ぶのは未だ早いですよ、姜維。
      最終的に診断するのは、しっかり患者さんの様子を観察してからです」
姜維   「はいっ!丞相!」
貴女   「(なんだ…? この『スポ根』ばりの会話は… orz)」


   貴女はツッコミどころ満載なこのドクター達のやりとりを黙って見ていた。
   その後、二人が本格的(!?)に診察を始めて。
   (よかった…放って置かれたわけじゃないんだ)、と安堵する。


諸葛亮  「貴女の、現在の状況は把握しました。
      あとはその病に対して、どのように対策を立てるかですが…どう見ますか? 姜維」
貴女   「…。 (あくまで戦場感覚!?と呆れる)」
姜維   「…丞相、ここはご本人に選択させては?」

   研修医姜維のこの発言に。
   貴女が 「当たり前じゃい!」 とツッコミを入れようとした刹那。
   またまた研修医姜維の頭に(以下略)
   すぱこ〜ん!

諸葛亮  「病院というものは、あくまで患者さんの意志を尊重しなくてはならないのですよ。
      大体あなたはですね…(くどくどお説教を垂れ始める)」

   研修医姜維が萎縮し、ドクター諸葛亮からのお説教を甘んじて受け始める。
   しかも、半分喜びながら
   それを見て…。

貴女   「お前はMかっ! てか、早く対策を立ててくれ!」

   貴女の心の叫びがそのまま声と行動となって現れる。
   貴女は自分が履いていたスリッパを徐に掴むと…
   ドクター諸葛亮と研修医姜維の頭に向かって力一杯振り下ろした!

   すぱぱ〜ん! と。



   後に。
   怒り半分で外に出た貴女だったが…何時の間にか風邪が治っていた。
   冷静になった頭で考えてみる。

   ………これも、ヤツの仕業か!?………



   貴女が帰った診察室にて。
諸葛亮  「…如何でしたか? 姜維」
姜維   「流石です、丞相!
      あのような治療法、私には真似できません!」

   研修医姜維の賛辞にドクター諸葛亮の顔に満足げな笑みが零れた。

諸葛亮  「ふふ…。 全ては私の想定内ですよ…」



劇終。





アトガキ

拍手お礼コントです(開き直りやがった)。
無駄に2部構成となりました…お許しください orz
やはり蜀陣営で 『無双医院』 をやるとしたら…このお方たちしか居ない!
この構想が浮かんだ瞬間に出たのが 『研修医・きょん』 でした(笑

ここでは米センセイは、ツッコミ役。
天然のきょんとツッコミ米センセイ…お似合いですw

しかし…。
きょん&米センセイがメインのお話がギャグSSだけってどうよ… orz
(因みに…シリーズ化する気マンマンです、管理人)

ここまでお読みいただけただけで幸せです…アタクシ。
あなたのくれた拍手に…これ以上ない程の感謝の気持ちを込めて。

御巫飛鳥 拝


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